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日本代表 3年前

長谷川唯が語った「もっと理論的に」の真意。東京五輪8強敗退、なでしこジャパンの中心として抱く未来への覚悟【インタビュー】

シリーズ:コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

「最終的に欧州移籍を決めた理由」とは

長谷川唯
【写真提供:アディダス・ジャパン】



――女子サッカー界の変化を体感する中で、今年1月にミラン移籍を決断しました。長谷川選手自身の中に「何かを変えなければいけない」という思いがあっての海外挑戦だったのではないでしょうか。

「日テレ・東京ヴェルディベレーザのポジショニングを大事にしながらも自由にやる部分が混ざったサッカーの中で、ドリブルで簡単に置き去りにできるようなシーンが増えてきた実感がありました。個人で取り組んでいたフィジカルトレーニングの成果も出てきて、ずっと同じ環境にいてはいけないと思ったのが最終的に欧州移籍を決めた理由です。昔から海外に行きたくて、欧州のサッカーも進歩してきていて、自分の感覚がちょうど合ったタイミングでもありました」

――実際にイタリアへ渡ってプレーしてみて、思い描いていた欧州のサッカーを体感できましたか?

「日本とは全く違うサッカーをやっている環境で、自分がするべきプレーも全く違うな、というのはすごく感じました。もちろんイタリアリーグが日本のリーグより明らかにレベルが高いかと言われたら、そうではないかもしれないですけど、やっぱり日本人相手とは全く違うサッカーでしたね。

ただ、イタリアの女子サッカーはまだそこまでポジションを大事にしているわけではなく、ミランも全員でスペースを共有する意識を持ったチームではありませんでした。むしろボールに強く寄せにいくことで、自分のスペースを空けてしまう選手も多かったです。

守備では運動量が本当に多くて、『全部いけ!』と要求されたので、慣れるのは難しかったです。それでもいいところが見えている選手はたくさんいますし、自分がいいポジションを取っていたら、いいパスが入ってくることもあったので、今までやってきたことは無駄ではないんだとも感じました。

球際の強さだったり、ボールに対する執念だったりに対応することを毎日の練習や試合で経験していたのは、世界の相手と戦うにあたって大事な日常でした。東京五輪前にイタリアのサッカーを経験できたのは、すごくよかったと思っています」

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