明治安田生命J1リーグ第26節、浦和レッズ対サンフレッチェ広島が25日に行われ、1-0で浦和が勝利している。キャスパー・ユンカーが今季8ゴール目を挙げ、酒井宏樹やアレクサンダー・ショルツが完封勝利に貢献するなど、新戦力の活躍が目覚ましい。キャプテンマークを巻く槙野智章は好調の理由をどう考えているのだろうか。(取材・文:元川悦子)
うまくいった秘策
J1暫定8位で東京五輪中断明けを迎えた浦和レッズ。最初の北海道コンサドーレ札幌戦を落としたものの、その後、サガン鳥栖と徳島ヴォルティスに連勝し、順位を7位に上げた。目標である「AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場圏内」の3位に迫る勢いだ。
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上位に肉薄するためにも、25日のホーム・サンフレッチェ広島戦は落とせない一戦だった。第2の本拠地・埼玉駒場スタジアムには赤と黒のコレオが掲示され、上限5000人のゲームとは思えない熱気と興奮に包まれた。
「今季は3バックの相手に対してボールを持たれたり、勝ち点を取りこぼしたりすることがあったので、徳島戦が終わって広島戦までの間に新しいシステム、3枚の形を練習してきた」
キャプテンマークをつける槙野智章が説明した通り、リカルド・ロドリゲス監督が採った秘策は「可変性3バック」の採用だった。
ベースは右から酒井宏樹、岩波拓也、槙野智章、アレクサンダー・ショルツの4バックなのだろうが、状況を見ながら左MFの関根貴大が下がって5バック気味になる時間帯がかなりあった。中盤も2ボランチから3ボランチのような形に変化したり、最前線のキャスパー・ユンカーと明本考浩も2トップ気味になったりと、かなり柔軟なポジション取りを見せつつ、敵に応戦していたのだ。
臨機応変な戦い方に広島は戸惑い、うまくプレスをかけられなかった。「我々は前から行きたかったが、ハマらない時に最終ラインがどうするかというメリハリがうまくいかなかった」と城福浩監督も言うように、選手たちは明らかに混乱。このスキを突くかのように浦和は一気に畳みかけた。