再浮上のきっかけを掴んだ鳥栖
「プロに入ってからはサイドだったり、ウイングをやるのがほとんどだったんですけど、自分はもともとFWの選手。今年の途中から自分の好きなポジションでやらせてもらっていて、自分のイメージのマッチは早かったですし、周りを生かしながら自由にやらせていただいている。後ろには啓矢君や雄太とパサーの選手がいるので、コミュニケーションは日々取れているし、新しく入ったシラ君(白崎)や(山下)敬大、ノリ君(酒井宣福)もうまく生かしながら良さを出せているかなと思っています」
本人もこう語るように、本職である最前線に入るようになったことで、本来のゴールセンスがより発揮され始めたのは確か。林の移籍が小屋松にとってプラスに働いているのは間違いなさそうだ。
その印象を強めたのが、後半10分の3点目だった。後半頭からギアを上げてきた柏に押し込まれる中、鳥栖はワンチャンスを逃さなかった。仙頭の左CKのクリアボールを拾った大畑歩夢から樋口、仙頭とつながり、中野嘉大は左サイドで古賀太陽との1対1の局面を迎えた。そこで巧みな切り替えしからクロスを入れると、ニアに侵入したのが、背番号22。右足アウトでコースを変え、ダメ押しゴールを奪ったのである。
「『上がってくるかな』というのはあったんですけど、中で待っててちょっとそらす感じでうまいこと入ってよかったと思います」と小屋松は再び笑顔を見せた。まさに点取り屋の嗅覚が働いたからこそ、チームを3-1の勝利へと導くことができたのだろう。鳥栖は公式戦連敗を2でストップ。再浮上のきっかけをつかんだと言っていい。
【次ページ】鳥栖で実感する成長と自信