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バルセロナが苦しんだ“ペドリ依存”。大黒柱となった18歳の孤立を救ったのは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

バルセロナの指針とは…



 途中投入されたセルジ・ロベルトは、ペドリの代役を見事にこなした。3トップと近い距離を保ち、相手のライン間でボールを引き出す。プレッシングの場面でもセンターバックへの間合いを詰めながら、ボランチへのパスコースを切った。セルジ・ロベルトの献身により、バルセロナは少しずつ流れを掴んでいき、75分に同点ゴールが生まれた。

 セルヒオ・ブスケッツがボールを奪い、グリーズマン、デ・ヨングとつなぐ。失いかけたところをセルジ・ロベルトが浮き球のパスでつなぎ、左寄りの位置でデパイがボールを受けた。デパイはペナルティーエリアにボールを運ぶと、左足のシュートでゴールのニアサイドを打ち抜いた。

 起点となったのはブスケッツのボール奪取。高い位置まで寄せたブスケッツがボールを奪うと、デ・ヨングとセルジ・ロベルトは素早くボールを受けられるポジションをとっている。4-2で勝利したレアル・ソシエダ戦と同じような縦への鋭さがこの時間帯は蘇っていた。

 ペドリを下げたことが反撃のきっかけとなったが、これまでの活躍を考えればペドリを責めることはできない。昨シーズン、ユーロ2020(欧州選手権)、東京五輪(東京オリンピック)と休みなくプレーし、そのまま今シーズンへ突入している。指揮官は次節でペドリに休養を与えることを明言しており、つかの間のオフを得ることとなった。不可欠な存在であることは言うまでもなく、コンディションを整えて戻ってきてくれれば、バルセロナにとっては大きな戦力アップとなるだろう。

 セルジ・ロベルトという名脇役がペドリの穴を埋めたことで、勝ち点1をなんとか得ることができた。良くも悪くもこの2試合で、メッシの抜けたバルセロナが目指す方向性は示せたのではないだろうか。あとは、それをどのように微修正し、アップデートしていくかというところが今後のポイントになりそうだ。

(文:加藤健一)

【了】

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