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古橋亨梧は「完璧なパッケージ」。衝撃の6戦6発でやまぬ称賛…ファンや識者を魅了できた要因とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

観客を総立ちにしたAZ戦の1得点1アシスト



 古橋がこれまでに日本やスコットランドで残した結果を見れば、フィジカル的な特徴が成功を妨げているとは考えられない。むしろ彼は自分なりの特徴を最大限に活かしたプレースタイルでステップアップを遂げてきた。セルティックでも攻守の切り替えの早さや猛烈なプレスバックなどを通して、惜しみないハードワークと守備での貢献度の高さも十二分に発揮している。

 AZ戦の活躍にも古橋らしさが存分に現れていた。11分の先制ゴールの場面では、動き出しの巧みさとシュート技術の高さが光った。

 左サイドにボールが流れると、古橋は早めにゴール前に入ってクロスを待つ。しかし、相手の粘り強い守備に阻まれてなかなかペナルティエリア内にパスが来ない。それでもじっと耐え、静かに相手ディフェンスの隙を狙って最適なポジションを探る。そしてMFトム・ロジッチからクロスが上がるタイミングでギアを一気に上げて瞬時に相手DFの背後を取り、右足を伸ばして繊細なボレーシュートをゴールネットに突き刺した。

 Jリーグ時代から磨き上げてきた動き出しの感覚と技術は、スコットランドでも間違いなく通用している。パワーやスピードに長けるフィジカル自慢のDFが揃った環境でも、1トップの重責を担えるだけの能力と結果を示してきた。

 そして、ポステコグルー監督の言う「非常に頭のいい」側面は、試合中のポジション変更にも現れている。AZ戦の後半、58分にFWオドソンヌ・エドゥアールが投入されると、古橋は1トップから左サイドへと移った。

 するとゴールまでの直線距離は遠くなったが、今度はアシストでセルティックに追加点をもたらしたのである。61分、ペナルティエリア左角で味方からパスを受けた古橋は、ワンタッチ目で素早くターンして前を向くと、軽く持ち出しながら顔を上げる。そして逆サイドからゴール前に走り込んでいたフォレストを見逃さず、右足で正確なラストパスを通した。

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