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マンUの「魔法」…なぜリーズを圧倒できたのか。ポグバ、ブルーノ・フェルナンデスだけではない、その要因は?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

まったく機能していなかったのは…



 リーズからすると大敗の要因になるが、それを端的に現わすと、ビエルサ監督は[4-1-4-1]の布陣で臨んできたが、この試合ではワンボランチのロビン・コッホが攻守において機能していないところがあった。コッホの問題というよりは、リーズのチームとしての守備の問題と言えるかもしれない。ビエルサ監督率いるチームは、前半から4バックの手前にフィルターがかかっておらず、ぽっかりと空く傾向があった。そのスペースをマンUの選手たちは自由に使うことができたのである。

 例えば12分の場面。強烈なプレッシングの中で自陣から味方が繋いで中央でルーズボールを拾い、リーズのタイトなディフェンスを掻い潜ったグリーンウッドは、敵陣の中央を悠々とドリブルし、ポグバの決定機を演出している。20分の場面でも、敵陣でスコット・マクトミネイがボールを奪うと、攻守が切り替わった瞬間、グリーンウッドは4バックの手前でフリー。この時、コッホはマクトミネイに食らい付いており、さらにグリーンウッドの左隣にいたポグバもフリーだった。

 それからクラブ生え抜きの若手FWは、右のダニエル・ジェームズにパスを出し、マンUの選手たちはゴール前に雪崩れ込む。いずれにせよ、リーズはワンボランチのコッホが守備面で機能せず、マンUの攻撃に対して4バックがラインとしてズルズルと下がるだけの対応になってしまっていた。そして、この敵の“弱み”を突いて、31分にB・フェルナンデスが先制点を決めることになるのである。

 先制の場面では、マクトミネイからポグバに出たボールに対して、B・フェルナンデスが3人目の動きで前に走るのだが、このポルトガル代表MFに付いていたコッホは、すんなりとマークを剝がされている。コンディションの状態があまり良くなかったのかもしれないが、コッホの守備は、ビエルサ監督のチームの選手らしからぬルーズな対応だったと言わざるを得ない。そして裏に抜け出したB・フェルナンデスがゴールを決めて先制。

 こうした傾向は、後半に入っても続いた。

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