マリノス行きを決めた理由
シント=トロイデンVVでは必要な人材が揃わず現実的な戦いを選択せざるを得なかったが、マスカット監督は8年前のようにポステコグルー前監督からチームを引き継ぎ、マリノスで再び攻撃的なチームを作っていこうとしている。
「我々の関係は当時(サウス・メルボルンFC時代)からすごく長く続いている。私が指導者としてのキャリアを始めるにあたってもアンジェが常にメンターであり、我々はフットボールに対して同じような情熱を共有しているので、たくさんのことを語り合ってきた。
サッカーについて何か知りたいと思えばアンジェに連絡を取り、彼に相談することも多くあった。彼が伝えてくれた経験は私にとって非常に価値のあるもの。マリノスでやろうとしていることは彼と同じだと思っているし、彼が築き上げてくれたものを大事にしたい」
マスカット監督がマリノスからのオファーを快諾した最大の理由も、信頼する前任者が中心となって築いてきたクラブの哲学に惚れ込んだからに他ならない。
「クラブとディスカッションを重ねた中で、挑戦ができる場所だと思っていたし、素晴らしいオファーをいただいたと思う。決め手となったのはマリノスが築き上げてきた哲学やプロジェクトなどに(自分の考え方が)合うのではないかと思ったことだ。
自分が持っているサッカーに対する情熱や、これまでやってきたことと、マリノスが今までやってきたことをしっかりと合致させ、手を取り合って、自分の経験をこのチームに落とし込んでいきたい。新しいことではなく、今までやってきたこと以上のものを持ち込みたい。このクラブに来られたことをうれしく、そして誇りに思う」
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