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Jリーグ 3年前

マリノス新監督は前任者にそっくり!? ポステコグルー流の正統後継者、30年来の師から学んだ「信じ続ける」哲学【コラム】

シリーズ:コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

ポステコグルー前監督との出会い

ケビン・マスカット
【写真:Getty Images】



 サッカーや勝利への情熱に溢れた姿勢を感じているのは、小池だけではない。東京五輪の期間中にオンラインで面談したという前田大然も、マスカット新監督の印象について「熱い監督ですし、今までマリノスの監督をしていた方も熱かったので、同じ匂いがするというか、マリノスに本当に合っているのかなと思います」と語った。すでにポステコグルー前監督につながるものを感じ取っている。

 現役時代はダーティーで荒っぽいプレースタイルのDFだったとも聞くが、指導者としてのマスカット監督のイメージは正反対。記者会見などでも物腰柔らく、知的で、表情も豊か。「ボスも笑顔で話してくれていましたけど、マスカットさんの方が挨拶とかをしても日常的にニコニコ笑顔で話してくれるイメージです」と、岩田智輝のように独特の表現で新監督の印象を話した選手もおり、ポステコグルー前監督より親しみやすいリーダーの雰囲気は確実にある。

 選手たちとの間にきっぱりと一線を引いた関係を保っていた前任者とは、チームマネジメントにおけるアプローチに多少の違いはあるのかもしれない。ただ、ピッチ上で展開されるサッカーの面では、前体制から大きな変化はない。むしろマスカット監督がポステコグルー体制の正統後継者にふさわしいという思いは日に日に強くなっている。

 そもそもマスカット監督とポステコグルー前監督の関係は、冒頭で言及したランゲラックとのそれよりもはるかに長い。

 チーム合流直後に行われた就任会見の中で、マスカット監督は前任者との関係性について「私がマリノスの監督就任が決まった時、アンジェはそれをとても喜んでくれた。彼のことはオーストラリアで指導者になったばかりの頃も知っていて、当時の私はまだ若手選手だった」と話していた。

 ポステコグルー前監督は1993年にオーストラリアのサウス・メルボルンFCで現役を引退すると、すぐに指導者に転身して同クラブのアシスタントコーチに就任した。彼の現役最後のシーズンに同僚となったのが、当時まだ19歳の若手選手にすぎなかったケビン・マスカットだ。

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