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アーセナルはなぜ負けたのか。キーマンの退団で露呈した弱み、補強よりも必要なことは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

重要人物の退団がアーセナルの穴に?



 結果的にアーセナルの失点は2つともセットプレーだった。

 先述の通りブレントフォードはロングボールを2トップが競り、2列目の3人がそれを拾って攻撃につなげる形を明確に狙っていた。22分の先制点はGKのロングキックから。一度はアーセナルにクリアされたが、上がっていたこぼれ球をイーサン・ピノックが頭でつなぎ、セルジ・カノスが右足でニアサイドを打ち抜いた。

 そして、追加点はロングスローから。GKレノをポントゥス・ヤンソンがブロックしていた部分はファウルかどうか微妙ではあったが、アーセナルがクリアしきれなかったところをクリスティアン・ノアゴールがゴールに押し込んだ。

 思い返すと、アルテタが就任した19/20シーズン、アーセナルはセットプレーの守備を苦手としているチームだった。データサイト『WhoScored.com』によると、セットプレーから15失点しており、失点全体の31.3%を占めていた。しかし、昨季はセットプレーからの失点がわずか5で、失点全体の12.8%まで下がっている。

 この改善は、昨季アシスタントコーチを務めたアンドリース・ゲオルグソンによる貢献が大きいと言われている。しかし、ゲオルグソンは古巣であるスウェーデンのマルモのダイレクターに就任。代役としてマンチェスター・シティでアルテタ監督と仕事をしたこともあるニコラ・ジョバーを招聘した。

 これが勝敗を分ける伏線となったのかもしれない。

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