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日本は「勝負どころで勝てない国」。冨安健洋が感じた現実…「差」を埋めていくためには?【東京五輪男子サッカー】

text by 編集部 photo by JMPA

冨安健洋
【写真:JMPA代表撮影】



 U-24日本代表の東京五輪は4位という成績に終わった。6日に行われた3位決定戦でU-24メキシコ代表に1-3で敗れ、53年ぶりの銅メダル獲得は叶わなかった。

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 センターバックとして先発フル出場したDF冨安健洋は、厳しい現実を突きつけられ「不甲斐ないですね、ホント。日本は『ここぞという勝負どころで勝てない国』というのが、今回また表面に出た」と失望を隠さなかった。

「育ってきた環境だったりというのはあると思いますし、簡単に変わっていかないものだとも思うんですけど、そこ(勝負弱さ)を変えていかないと勝っていけないと思います。本当に当たり前というか、普通にプレーして勝てるような強い国にならないといけないと思います」

 どこかで100%以上の爆発力を発揮しなければ勝ちあがれないような余裕のない状態ではなく、どこと対戦しても「普通に」勝てるチームに。この壁はとてつもなく高いが、冨安は「僕らが次の世代、次の日本代表を作っていくことになると思いますし、本当にこのチーム、この選手たちが今後日本代表を強くしていかないといけないと思います」と決意を述べている。

 では、どうすれば強くなっていけるのだろうか。どのように「勝負弱さ」を克服していくべきなのだろうか。冨安は次のように考える。

「本当に1人ひとりが、対面の選手だったりに対して絶対に負けないという自信を持っていれば、別に全員がいつも通りプレーしていたら勝てます。本当に1人ひとりが自分のチームでレベルを上げて、どんな選手が相手でも別にいつも通りやれば全然問題ないというメンタリティで臨めるようになればいいかなと思います。

彼ら(メキシコの選手たち)は育ってきた環境があって、自然とそういったこと(勝負の分かれ目を見極める力)を学ばずとも持っているのかもしれないですし、かといってそこを言い訳にしてはいけないですし、僕らの『当たり前』を上げていくことでしか、そこの差というのは埋めていくことはできないと思います」

 冨安は「(所属)チームでどれだけ刺激のある活動というか、練習だったり試合だったりができるかにかかっている」とも語る。そして「1つでもステップアップして、『当たり前』のレベルを上げること」の重要性を強調した。

 より激しい競争の場に身を置き、そこでの経験で各々が「勝負強さ」の真髄を体感すること。イタリア最高峰のセリエAで揉まれる冨安だからこその感覚だろう。「僕らが次の世代、次の日本代表を作っていくことになる」という自覚のもと、今後の日本サッカーを引っ張っていく覚悟だ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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