【写真:JMPA代表撮影】
U-24日本代表の東京五輪は4位という成績に終わった。6日に行われた3位決定戦でU-24メキシコ代表に1-3で敗れ、53年ぶりの銅メダル獲得は叶わなかった。
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試合後、MF遠藤航は「今日に関して言えば、あそこで自分がやられたというのが全てだと思うし、批判は全部自分にしてもらえればなと思います」と語った。
彼の言う「あそこ」というのは、この試合の場合、残念ながら複数ある。
1つ目は11分にFWアレクシス・ベガを倒してメキシコにPKを与えてしまった場面。2つ目は22分、フリーキックの守備で相手DFヨハン・バスケスにマークを振り切られて失点した場面。そして3つ目は後半の58分、コーナーキックの守備でマークしていたベガを離してしまい、失点につながった場面。いずれも失点に直結するミスだと、遠藤は認めている。
遠藤は東京五輪で全6試合に先発起用され、準々決勝と準決勝は延長戦までもつれこむ120分間の激闘が続き、ともにフル出場。1試合の平均プレー時間は95分とほぼフル稼働状態だった。さすがに3位決定戦では疲労からか動きが重く、これまでのようなアグレッシブなプレーは鳴りを潜め、本来なら起こらないようなミスを連発してしまった。だが、本人はそれも「今の実力」だと受け止めている。
「自分は120分間をずっと戦ってきた中でも、今日は『やれる』と思ってピッチに立っているし、でもその中でもやっぱりやられてしまっているという、そこはもうシンプルに自分の実力というか、別に誰のせいにしたわけでもないし、今日の試合に関しては自分のせいだと思っているし、常に毎試合毎試合、自分がどうしたらチームを勝たせられるかということをいつも考えながらプレーしているし、それを今日も同じでした」
敗戦は決して遠藤だけのせいではないが、彼は責任を1人で背負いこもうとしていた。ボランチは代役不在で、遠藤と田中碧のコンビがチームを支えていた。しかし、延長戦までもつれた試合を2つ含み、中2日での6試合を選手の入れ替えなく戦い抜くのは極めて難しい。
むしろ銅メダルを逃した原因を遠藤だけに押しつけてはならない。もともと東京五輪世代のボランチは他のポジションに比べて人材不足で、遠藤なしでベスト4進出は難しかっただろう。チームの心臓部となるポジションや選手層の薄さや、試合ごとのやりくりを考えても、現時点でのU-24日本代表の限界が3位決定戦の完敗で顕在化した。
(取材・文:舩木渉)
【了】