痛感した世界の壁
この2つの場面を見ても分かる通り、大会を通して出ずっぱりだった吉田や遠藤、久保、堂安といった中心選手たちが揃って失点に関与したのは残念すぎる。酷暑と超過密日程、自国開催の重圧がのしかかる中、これだけ強度の高い試合を6試合も続けて戦えば、パフォーマンスが落ちるのもやむを得ないこと。彼らを一方的に責められるわけにいかない。
ただ、前半の早い段階の2失点が響いたのは紛れもない事実。結局、終わってみれば1-3の黒星。「完敗です」という吉田や堂安の言葉通り、見事な返り討ちに遭い、またしてもメダルを逃す形になった。
9年前のロンドン五輪の韓国戦、2018年ロシアワールドカップのベルギー戦にしてもそうだが、日本は肝心なところで追い求めていた高みに到達できない。「世界の壁」がどれだけ高いのかを再び痛感させられることになった。
森保一監督が大会中のどこかで主力を休養させるというマネジメントができれば理想的だったが、初戦から落とせないゲームが続き、リスクを取れなかった。それが今大会の日本の実情だった。
この先、五輪でメダル、ワールドカップでベスト8以上という成績を目指そうと思うなら、5~6試合の連戦が続いてもチーム力が落ちない状態をキープしなければいけない。極端に言えば、「2チーム分の戦力」が必要になってくる。それは改めて強調すべき点だ。
【次ページ】U-24日本代表が限界に達した理由