U-24日本代表は3日、東京五輪の準決勝でU-24スペイン代表と対戦した。

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　115分に途中出場のFWマルコ・アセンシオにゴールを破られ、延長戦までもつれた激闘は0-1で終戦。2大会ぶりの準決勝に挑んだ日本は、またしても敗退に追い込まれた。

　今大会、久保建英や堂安律といった2列目の選手たちが大きな存在感を発揮した一方で、ストライカー陣は軒並み苦しんだ。林大地、前田大然、上田綺世と起用されてきたFWたちは3人でわずか1得点。準決勝までの5試合でゴールを挙げたのは前田のみだった。

　スペイン戦に延長戦から出場した前田はうつむき加減で「0-0やったので、1点狙うことを意識していたんですけど、思うようなプレーが自分自身できなくて、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と語った。

　今大会は最も得意とするセンターFWでのプレー機会がほとんどなく、サイドでの起用がメインになった。準決勝もサイドでのプレーを求められたが、持ち味である爆発的なスピードを結果に結びつけることはできなかった。

　上田の負傷や前田の調整遅れの影響もあり、グループステージ初戦から先発出場のチャンスを多くもらった林も無得点。体を張ったボールキープやポストプレーなどで味方を生かす働きは光っていたが、ゴールネットを揺らすまでには至らなかった。

「ここまで多くの試合に使ってもらって、得点がないので、そこは責任を感じています」

　林もストライカーとしてノーゴールという事実を重く受け止めている。「みんな、金メダル目指して、東京五輪世代（の活動）が始まったときから目標にしてやってきたので…そうですね……金メダル取れないので、自分自身も…力のなさをすごく感じました」と、やっとの想いで言葉を絞り出す。

　大会前の負傷によって最後までベストコンディションを取り戻すのに苦労していた上田は、主に途中出場で流れを変える役割を担った。しかし、スペイン戦でもパフォーマンスレベルが高かったとは言いがたく無得点。

　唯一スタメン起用されたグループステージ最終節のU-24フランス代表戦では積極的なシュートから複数のゴールのきっかけを作ったが、その時のようなパフォーマンスを発揮できず「負けたことには変わらないので、もっとシュートの場面を作ることもそうですし、もっとチームとしても自分としても力をつけないといけないなと思います」と敗退を悔やんだ。

　2大会ぶりの準決勝は、またも敗戦。上田は「準決勝という一発勝負で、勝てずに金メダルを逃したというところだけですね。何も得ていないです」と厳しい表情で語り、結果を重く受け止めている様子だった。

　ストライカーたちはゴールという結果でチームに貢献できなかったことに対し、三者三様の考えを持っている。しかし、彼らの想いが一致する部分もあった。それは3位決定戦に向けての考え方だ。

「次はもう本当に勝たないとメダルを獲れないので、何としても、しっかり勝てるようにしたいと思います」（前田）

「（吉田）麻也さんも『オリンピアンとメダリストは違う』と言っていたので、次（の試合が）すぐ来るので、必ずいい準備をしてメダリストになりたいなと思います」（林）

「もう目標にしていた金メダルは不可能ですけど、まだ1試合残っていますし、銅メダルの可能性もあるので、難しいですけど切り替えて、次の試合に準備していきたいと思います」（上田）

　3位決定戦までは中2日と、相変わらず厳しい日程になる。準決勝で敗れたショックから精神的にも肉体的にも回復するのは極めて難しいだろう。それでも彼らがメダル獲得に向けて奮起し、U-24日本代表としての最後の試合でこれまでの悔しさを少しでも晴らすような活躍を見せてくれることに期待したい。誰もがストライカーのゴールを欲し、望んでいる。

（取材・文：舩木渉）

【了】