東京五輪の準決勝が3日に行われる。U-24日本代表がメダル獲得をかけてU-24スペイン代表と対戦する大注目の一戦だ。徳島ヴォルティスのコーチを務めるマルセル氏は、2008年から2020年まで長きにわたってバルセロナのカンテラ(育成組織)で指導に携わり、両国代表に複数の教え子を送り出している。そこで今回はマルセル氏に数いる教え子たちの中から、U-24スペイン代表として日本戦に出場を予定している注目の5選手を紹介してもらった。(取材・構成:舩木渉/取材協力:徳島ヴォルティス)
久保建英と同期の技巧派センターバック
【写真:Getty Images】
エリック・ガルシア(DF/背番号12)
生年月日:2001年1月9日(20歳)
クラブ経歴:バルセロナ(2008〜2017)→マンチェスター・シティ(2017〜2021)→バルセロナ(2021〜)
東京五輪成績:4試合出場/0得点0アシスト
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エリックは小さい頃からピッチ内でもピッチ外でもリーダーシップをしっかり発揮していた選手でした。チームに安心感を与えるような存在だったと思います。少年時代はフィジカル的にすごく恵まれていた選手だったのですが、20代になって少し難しくなってきています。
しかし、彼なりの経験を生かし、いい判断をして、プレスに行くべきところ、行かないところをしっかり判断しながら、彼以上に体格に恵まれている選手と同等にプレーしている印象を受けています。また、ビルドアップ能力は彼のストロングポイントの1つで、チームにしっかりプレーの安定性を与えます。特に彼の良さは、相手のラインを突破するためのパスを出せるところです。
マンチェスター・シティにも移籍しましたが、なぜヨーロッパのトップクラブで主力になれたかというと、最大の要因は彼の性格だと思っています。ナーバスになることがないという特徴を持っていて、それエリートがたくさんいるプロの世界で成功を収めている1つの要因です。彼は素晴らしい性格だけでなく、自分に対する自信もしっかりと持っていますし、その自信が彼のパフォーマンスを引き上げることにつながっていると思います。
実はエリックやタケ(久保建英)らとともに参加した2013年のジュニアサッカーワールドチャレンジが、私にとって初めての来日でした。彼らをはじめ当時のチームにいた多くの選手がプロの世界にたどり着いて活躍してくれているのを嬉しく思います。バルサの選手たちにとっては11人制のカテゴリに進んだシーズンの初めての大会だったので、今でも同時のことはよく憶えています。本当に特別な機会でした。