そのプレースタイルは?
セバージョスはセントラルMFを主軸にトップ下の攻撃的な位置でもプレーが出来るミッドフィルダーだ。第2節のバーンリー戦ではトップ下の位置でプレーをし、メスト・エジルの代役として活躍した。まさに攻守においてバランスの取れたミッドフィルダーで、エメリ監督も「彼は10番としても、8番としてもプレーできる」とコメントしている。
彼のプレースタイルの特徴は巧みなボールタッチだ。独特なリズムから繰り出されるフェイントは相手選手を翻弄し、見る者を魅了してくれる。それだけでなくボールキープ力も高い。繊細なボールタッチで相手デェフェンダーを引きつけ、上手くかわすことが出来るのでタメを作りサイドチェンジをするなど、狭い所から広い所へと展開できる。リズム変化が出来る選手はアーセナルの繋ぐサッカーには必要不可欠な存在だ。
またドリブルだけでなくパスも持ち味である。スルーパス能力も高いため、決定的なチャンスを作り出せる。そのため彼の能力が最大限に活かされるのはアタッキングサードだろう。ドリブルに長けているセバージョスに対して迂闊にタックルに行くとフリーキックもしくはPKの可能性が出てくる。それを危険視するあまりプレスが甘くなると決定的なパスを通される可能性もある。アーセナルの選手の中で自らボールを持ち運び仕掛けることの出来る選手は希少だ。そういった意味でもセバージョスの存在は試合に変化を与えてくれる選手だろう。
ドリブルやパスのほかにセバージョスはロングシュートも積極的に狙っていく豪快さも持ち合わせている。ラムジーの後釜として移籍して来たが、彼のように2列目からの飛び出しも出来るというタイプではなく、自らボールを持ちチェンスメイクやシュートを狙っていくタイプだ。
ここまで見ればセバージョスは攻撃的なタイプだと思われるかもしれないが、決してそうではない。確かに攻撃的ではあるが守備時の貢献度も非常に高い選手だ。セントラルMFとして起用されれば当然守備機会も多くなるが、このポジションに求められるボール奪取能力も高く、ラムジーの穴は十分に埋まるはず。
セバージョスは23歳と若く無理な場面でボールをキープする場面やフィニッシュ能力に欠けるなど、まだ荒削りの部分も見られるが、これから更に経験を積み将来世界最高峰のミッドフィルダーの一人になる可能性を秘めている。これからもそのプレーで多くの者を魅了してもらいたい。
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