スペイン期待の逸材も、ジダン監督とはなぜか…
今夏、アーセナルの元を去っていたアーロン・ラムジーの後釜としてレアル・マドリーから期限付き移籍でやってきたスペイン代表MFダニ・セバージョス。当初、ACミランへ期限付き移籍をするのではないかと見られたが、同じスペイン出身のウナイ・エメリ監督の存在が大きく、アーセナル行きを決断。リーグ戦第2節では初先発出場を果たすといきなり2アシストを記録し、MOMに選出された。
セバージョスは1996年8月7日にスペインで誕生。2011年からレアル・ベティスのユースチームでプレーし、2015年7月にトップチーム入りを果たした。チームは14/15シーズンに2部リーグへ降格してしまうがそこで大きな成長を遂げ、1シーズンでの1部昇格の原動力となった。16/17シーズンはグスタボ・ポジェ監督の元では冷遇されたが、監督交代をきっかけに後任のビクトル・サンチェス監督の元で一気に成長することになる。そのシーズン、チームは最終的に15位に終わるが、それでもセバージョスの注目は一気に高まった。
そして2017年7月14日にバルセロナとの争奪戦に制したレアル・マドリーと6年契約を結ぶ。マドリーへ移籍する際にベティスとの間に溝が出来、ホセ・ミゲル・ロペス・カタラン副会長から批判を浴びてしまう形での退団となってしまう。マドリーでの初出場はスーペルコパ・デ・エスパーニャのセカンドレグ。トニ・クロースと交代し初出場。初先発を決めたリーグ戦第6節デポルティーボ・アラベス戦で移籍後初ゴールを含む2ゴールを決め勝利に貢献を果たした。しかし当時監督を務めたジネディーヌ・ジダンの元で信頼を勝ち取ることが出来ず、控えに回ることが多かった。
18/19シーズン開幕前にジダン監督の退任、フレン・ロペテギの2重監督契約問題など監督騒動で混乱した中、ロペテギ監督の元で開幕戦のスターティングメンバーを勝ち取る。しかしその後再び監督の座に就いたジダン監督の元で出場機会を大幅に減らし出場した試合はわずか1試合、第35節ラージョ戦のみに終わり残りの3試合はメンバー外となってしまった。そして今季からはジダン監督の構想外となりアーセナルへ期限付き移籍を決断した。
マドリーへやって来た当初は誰もがマドリーで才能が開花するだろうと期待をした。フロレンティーノ・ペレス会長も「ダニは将来、クラブを背負う存在になるだろう」と語っていただけに、クラブでの扱いは本人にとってもファンにとっても納得のいくものではなかった。