遠藤のトップ下起用を推奨する理由
推奨したいのは、“遠藤航のトップ下起用”だ。
大会前の17日に行ったテストマッチでもそうだったが、どうしてもポゼッションではスペインが有利。準決勝でもボールを持たれる時間帯が増えることになりそうだ。どちらかというと、日本は受け身のカウンター型で挑むことが予想される。
もちろんスペインが相手とは言え、今のU-24日本代表が簡単に力負けすることは考えにくいが、それでもボールを保持される時間の方が多くなるのではないか。しかし、ボールを持たない戦術が決して消極的な戦い方ではないことは、チャンピオンズリーグ(CL)の決勝に進出した頃のディエゴ・シメオネ監督率いるアトレティコ・マドリードやブンデスリーガで頭角を現した頃のRBライプツィヒが証明済み。
そこで、まずスペインの中盤の3枚を同数でハメに行くことにする。具体的には、インサイドのメリーノとペドリには、田中碧と板倉滉がマークに付く。疲労の度合いによっては、ワントップにラファ・ミルが先発し、メリーノとペドリのどちらかが外れてオヤルサバルが入るかもしれないが、いずれにせよ、インサイドの2選手は田中と板倉がマークする。そして、ワンボランチのマルティン・スビメンディに付くのが遠藤だ。
ジョゼップ・グアルディオラ監督が構築するチームが最たる例だが、中盤が逆三角形のポゼッション型のチームは、いわゆる“ピボーテ”を抑えられるとリズムを崩す傾向がある。今大会のU-24スペイン代表のスビメンディは、かつてのフィリップ・ラームや現在のロドリのようには中盤の底で強力な軸となっているわけではないが、だからこそ、遠藤であれば優位に立てるはず。
そして[4-2-3-1]の布陣の両サイドに久保建英と堂安律を配置して、ワントップにはキープ力のある林大地を起用する。スペインの3トップには酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋、中山雄太の4枚で対応したいところだが、残念ながら冨安はニュージーランド戦で通算2枚目の警告を受けたため出場停止。よって、代わりには190cmと長身の町田浩樹を配置する。冨安の代わりのCBに板倉を起用すると、ボランチが手薄になってしまう。
敵の両SBに対しては久保と堂安でフタをする。左は守備面を考慮して相馬勇紀も考えられるが、この場合は久保をワントップで起用。いずれにせよ重要なことは、ボールを奪った後のカウンター時に久保と堂安のコンビを活かすことだ。