「史上最強チームと言われる結果を、このみんなで残したい」
まさしくチームの勝利に対する責任を全員が果たしたからこそ、死闘を制してU-24スペイン代表の待つ準決勝へ進むことができた。ニュージーランド戦はU-24日本代表の結束を一層強くする重要な転換点となるに違いない。
ニュージーランドを制したPK戦は、全ての歯車が噛み合った。チームの一体感を象徴する約11分間だった。そして全てが終わったあと、田中碧はこんなことを言っていた。
「金メダルとの距離というのは、正直僕らからすると変わらないし、計り知れない上な存在だとは思っています。けど、僕らのチームには素晴らしい選手たちが揃っているし、そういう選手たちで1つになれば、たぶん勝てない相手はいないんじゃないかなって。もちろん名前でサッカーをしているのであれば、所属クラブや結果も含めて、圧倒的な差はあるのかもしれない。
けど、僕らは全員で手を取って戦えれば、間違いなく金メダルを獲れると思うし、それを僕らも証明していますし、みなさんにもそういう期待を抱いてもらえるくらいのプレーを示せているんじゃないかなと思います」
遠藤とともに中盤を支える司令塔は「本当に金メダルを獲りたくてこのメンバーでやっているので、全員で力を合わせて、史上最強のチームと言われるくらいの結果を、このみんなで残したい。僕だけじゃなくて、みんながそう思っています。その結果がこうやって現われているんじゃないかなと感じます」とも語る。自信は勝利を重ねるごとに大きくなっている。
金メダル獲得まであと2勝だ。久保は「簡単な相手はいないけど、勝てない相手はいない。今日まさにその通りの試合になったと思う」と誇る。準決勝でU-24スペイン代表も打ち破り、8月7日の決勝まで突き進むしかない。
「どう倒すかとかは、もうどうでもいいと思いますし、勝てばいいので、どんな戦い方になるか、本当にわからないですけど、勝ちます。勝たせてください」
(取材・文:舩木渉)
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