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日本代表 3年前

U-24日本代表に誕生した“英雄“。まるで“17年前の再現“…川口能活も評価する賢さ【コラム/東京五輪男子サッカー】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by JMPA,Getty Images

立ちはだかった「最後の砦」

谷晃生
【写真:Getty Images】

 日本は120分間で倍以上のシュートを放ったが、相手の手堅い守りに大いに苦しめられた。ニュージーランドはGKと3バックがゴール前を固め、中盤3枚が久保、遠藤航、田中碧をマンマーク気味にケアするという徹底した守備戦術を採用。クリス・ウッドへのハイボールから攻撃チャンスを伺っていた。

 高度に意思統一された戦い方が奏功し、ニュージーランドは前半から日本ゴール前を脅かす形を何度か作ったが、最たるものが、延長後半3分のFKのチャンスだろう。

 吉田が直前に痛んで外に出たため、後手を踏んだ部分もあったが、クレートン・ルイスのFKが壁の久保に当たり、イライジャ・ジャストがダイレクトでシュートした際には本当にヒヤッとさせられた。これを間一髪で戻った吉田がブロック。しかし、こぼれ球を拾われ、左から折り返さる。ここで鋭く反応したのが谷。後ろに下がりながらしっかりとボールをキャッチし、事なきを得た。高さのあるニュージーランドなだけに、1つ判断を誤ればゴールにつながっていてもおかしくなかった。しかし、守護神は「最後の砦」として、悪い流れを断ち切ったのである。

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