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日本代表 3年前

U-24日本代表に誕生した“英雄“。まるで“17年前の再現“…川口能活も評価する賢さ【コラム/東京五輪男子サッカー】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by JMPA,Getty Images

拭い去った4年前の悔しさ


「GKは『最後の砦』。晃生たち若いGKにはギラギラ感をもっと出してほしい。それが一緒にプレーしている選手にも必ず伝わると僕は思います」

 指導者になった川口GKコーチはそう強調し、教え子に熱き魂を吹き込もうとしていた。その願いを谷が大舞台で堂々と体現し、日本サッカー界の「鬼門」とも言うべき決勝トーナメント初戦突破の原動力になったのだから、感無量ではないか。

 過去を振り返っても、Jリーグ発足後の日本は主要国際大会でその関門をなかなか潜り抜けられなかった。突破できたのは準優勝した1999年のワールドユース、ベスト4に入った2012年のロンドン五輪など、わずかしかない。谷自身も2017年U-17ワールドカップのラウンド16でイングランドにPK負けを喫している。

「U-17のときにベスト16で負けた悔しさを今日、払拭するチャンスだなと思った」と本人も多少なりとも意識はしていた。同じ大会に出ていた久保建英も一瞬、脳裏をよぎったようだが、成長した今の谷なら何の心配もないと確信。盟友はその信頼通り、勝利の原動力になってくれた。

 この日の谷の大仕事はPK戦だけではなかった。何度か訪れるピンチを次々と防ぎ、安定感あるパフォーマンスを披露。南アフリカ、フランス戦に続く失点ゼロの立役者となったのだ。

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