U-24日本代表は7月31日、東京五輪(東京オリンピック)男子サッカー・準々決勝でU-24ニュージーランド代表と対戦し、0-0のまま突入したPK戦で準決勝進出を決めている。グループリーグ第3戦でU-24フランス代表から4得点をマークした攻撃陣は沈黙。U-24日本代表はあるものを見失っていた。(文:西部謙司)
異なるスタイルと膠着する試合
対照的なプレースタイルの激突だけに噛み合ったゲームだったが、PK戦まで持ち込めたという点ではU-24ニュージーランド代表のペースだったかもしれない。
【今シーズンのJリーグはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】
3-1-4-2のニュージーランドに対して、U-24日本代表は3バックにさほどプレスにはいかず、林大地と久保建英はアンカーへの供給路を断つ。サイドへ展開させたところで寄せて守備のスイッチを入れれば、ニュージーランドは縦へ浮き球のパスを蹴るだけ。ビルドアップのパターンがそれしかないのを読み切ってボールを回収していた。
一方、U-24日本代表の攻撃もニュージーランドの球際の強さに阻止される。10分に林のDFとGKの間を通したロークロスに遠藤航が合わせたが枠外。これが最初の決定機だった。31分にも久保の突破からのクロスを堂安律が狙ったがやはり枠外。ニュージーランドは5バックで引いているが、フラットなのでGKとDFの間が空きやすく、俊敏性ではU-24日本代表が上なのでサイドをえぐればチャンスになった。34分にも相馬勇紀のプルバックを堂安がシュートしたがこれも入らず。3つの決定機を逃したことで試合は膠着していった。
【次ページ】ロングボールしかないNZ。流れが変わったのは…