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田中碧がニュージーランド戦を「正直面倒くさかった」と語った理由。驚きだった日本対策【東京五輪】

text by 編集部 photo by Getty Images

田中碧
【写真:Getty Images】



 U-24日本代表は7月31日に東京五輪の準々決勝に臨み、PK戦の末、U-24ニュージーランド代表に勝利して準決勝進出を果たした。

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 序盤から相手の戦い方は徹底していた。システムを今大会初の5-3-2にし、日本の4-2-3-1に対して選手配置で各所に優位な状況を作ろうと試みた。

 DF吉田麻也とDF冨安健洋のセンターバックからのビルドアップを2トップがけん制。日本のダブルボランチとトップ下には中盤の3人がマンツーマンでマークにつき、両ウィングと1トップには3バック+両ウィングバックで対抗する。

 この“日本対策”とも言える戦術は見事に機能し、互いにゴールを奪えないまま延長戦までもつれこんだ。最後まで運動量が落ちず、負傷者が出たあとに4-3-1-2へシステムを変更しても守備網に大きな穴が生まれることもなく、簡単に引かずにディフェンスラインを押し上げる強気のニュージーランドの組織力は驚異的だった。

 中盤で相手にずっとマンマークを受けていたMF田中碧は「あんなに自分に対して、立ち位置をズラしてもマンツーマンでくることがなかったので、正直面倒くさかったです」と語る。

 普段ほどボールに触る回数を増やせず、なかなか前を向かせてもらえなかった。それでも「自分が触らなくてもいいのかなという気持ちではありました」と、あえて味方のためにマークマンを引き連れて動き続ける時間帯も作った。田中には「自分がボールを受けることも大事ですけど、自分にくるということは誰かが空くので、しっかりそこを見極めながらボールを運ぼう」という考えもあった。

「あの中でもシュートを打ったシーンもありますし、あそこで決め切れればもっと楽にゲームが進められたと思うので、こういう展開で難しかったですけど、いい勉強というか、もっともっとやれることを増やさなければいけないなと思います」

 中盤で田中とMF遠藤航、そしてMF久保建英の3人をマンツーマンマークで消されると、なかなか思うように攻撃が機能しない現実が浮かび上がってきた。準決勝進出で目標とする金メダル獲得には近づいたが、まだまだ改善すべき課題は残っている。

「本当に金メダルを獲りたくてこのメンバーでやっているので、全員で力を合わせて、史上最強のチームと言われるくらいの結果を、このみんなで残したい」

 あと1つ勝てばメダル獲得が確定する。しかし、田中に言わせれば「銀メダルも、今日(準々決勝で)負けるのも一緒」。まずは準決勝のU-24スペイン代表戦で、苦しみながらも勝利をつかんだ日本のポテンシャルを見せつけたい。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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