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東京五輪 3年前

U-24フランス代表の守備はプロレベルにない。このまま一体感が欠ければ…U-24日本代表の敗戦は考えにくい?【分析コラム/東京五輪男子サッカー】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

ジニャックは怖いが…



 冴えない守備陣とは対照的に、攻撃陣は奮闘。57分にランダル・コロ・ムアニの鋭い仕掛けからアンドレ=ピエール・ジニャックが1点を返すと、78分には、失点を招いた右SBミシュランもさすがにマズイと思ったのか、果敢なオーバーラップからクロスを入れ、中央でジニャックがヘディングで決めて再び同点に追い付く。86分にはジニャックがPKを決めてハットトリック。35歳のオーバーエイジ(OA)のモチベーションは高いようだ。

 92分には、そのジニャックの左からのクロスをコロ・ムアニが頭で繋いで、後ろから入ってきたテジ・サバニエが左足を振りぬいて勝ち越し弾。また、途中から入ってきたアレクシス・べカ・べカも強度の高いプレーを見せるなど、この南アフリカ戦に限っても、守備陣と攻撃陣との間には目の前の試合、引いては大会そのものに対してモチベーションにバラつきがあり、一定の温度差があるようだった。

 このように内実がイビツなU-24フランス代表に対して、第3戦でU-24日本代表が負けることは、ちょっと考えにくい。もちろんジニャックは決して侮れないが、これまでの2試合を振り返ると、吉田麻也と板倉滉のセンターバックコンビは、フランスのOAのセンターFWに簡単に仕事をさせないだろう。

 メキシコ戦ではサイドハーフの相馬勇紀と組んでディエゴ・ライネスを抑えた中山雄太と、フランスの選手を熟知する酒井宏樹の左右両SBがサイドから悠々と突破を許すことも考えられず、遠藤航と田中碧のダブルボランチも含め、後半にかけて押し込まれたメキシコ戦に比べれば、安定したボールポゼッションを回復できるのではないか。ましてや2試合で7失点と強度がないフランスの守備陣に対して、久保建英と堂安律を主軸とする日本の攻撃陣が何もできないということがあるだろうか。

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