U-24メキシコ代表戦で起用したいのは…
2点目はライネスのドリブルで、3点目はアントゥナのカットインで、右サイドから崩してゴールを決めている。このような得点に直結するテクニックも“スパイス”としてフランスに効いていたが、このメキシコの選手による個人技を考えると、左SBのポジションには、攻撃面で秀でる旗手怜央ではなく、やはり守備面で秀でる中山雄太を起用した方が良いのではないか。加えて、1対1の状況は極力避けるべく、メキシコのサイドアタックにはボランチやサイドハーフを含め複数で対応したいところである。
南アフリカ戦と違って、第2戦のメキシコ戦では、敵にボールを持たれる時間帯が増えることが予想される。フランス戦を終えた22日の時点では新型コロナウイルスの影響もなく、チームとして完成度の高いメキシコ相手には、比重をやや後ろに置いた戦いを強いられるかもしれない。
しかし、上記の2つのポイントで敵に主導権を渡さなければ、自ずと“タコスのスパイス”は無効化し、日本がリズムを掴んで攻撃を仕掛けることができるのではないか。スピードで裏を突かれてフランスにPKを献上したことを振り返れば、ワントップに前田大然を起用しても面白いかもしれない。南アフリカに比べ、メキシコは前掛かりになってくるはずであり、よって敵のDFラインの背後にスペースも生まれてくるだろう。
いずれにせよ、吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航らオーバーエイジ(OA)の選手たちを軸に固い守備と安定したビルドアップを構築してリズムを掴めば、必然的に久保建英や堂安律がフィニッシャーとして活きる場面が生まれるはずだ。
(文:本田千尋)
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