日本人離れしている久保建英
久保が初めて年代別代表のメジャー大会に出場したのは、2016年にインドで行われたAFC U-16選手権。初戦のベトナム戦で直接FK弾を叩き出したのが伝説の始まりだった。当時15歳の久保は「相手の壁が飛ばないから、コースを狙いすぎずにしっかり強くボールを蹴れば入るよとアドバイスをもらっていたので、その通り蹴った。狙い通りのFKだったかな」と堂々たる口ぶりで日本の大会ファーストゴールを分析していた。
強心臓ぶりは半年後のU-20ワールドカップでも変わらなかった。2カテゴリー飛び級ということで大きな注目を浴びながら、初戦の南アフリカ戦で途中出場。堂安の決勝点をいきなりお膳立てしてみせたのだ。
「初めての世界大会? 思ったより緊張しなかったですし、そんな余裕もなかった。ファーストプレーでいい感じの入りができてよかった」とあっけらかんとしていたのが非常に印象的だ。U-17日本代表時代の森山佳郎監督も「タケ(久保)のメンタリティは日本人離れしている」と絶賛していたが、海外仕込みの意志の強さと自己主張する力は勝負強さの原動力になっているのだろう。
そして、さらに半年後の2017年のU-17ワールドカップ初戦のホンジュラス戦で久保は4点目を叩き出す。この時は盟友・中村敬斗のハットトリック直後で気が楽だった部分もあったのだろうが、重要度の高いファーストマッチの得点というのはやはり特筆すべきだ。久保は舞台が大きくなればなるほど力を出せる本田圭佑のようなタイプなのかもしれない。
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