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久保建英「今日決めるとしたら自分だ」。初戦で決勝点、U-24日本代表を勝利に導くエースの自覚【東京五輪】

text by 編集部 photo by Getty Images

久保建英
【写真:Getty Images】



 U-24日本代表は22日、東京五輪のグループステージ初戦に臨み、U-24南アフリカ代表を1-0で下した。

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 苦しい試合だった。日本は5-4-1でじっと耐える南アフリカ相手に主導権こそにぎったものの、なかなか決定機を作れない。もどかしい展開が続いていた。しかし、1人の選手の勝利を欲する気持ちが試合を動かした。

「苦しい時間帯で……でも、自分の中では本当に試合の途中から『今日決めるとしたら自分だ』と、自分に言い聞かせていました。そういう気持ちでやらないと勝てないですし、待っていても誰かが決めてくれないと思っていたので」

 そう語るのはMF久保建英だ。71分、MF田中碧がペナルティエリアの右に浮き球のパスを入れると、ボールを受けた久保は自ら仕掛けていく。中央へドリブルで切り込み、左足を振り抜いた。

「田中選手がボールを持ったときはとりあえず(パスを)呼んでみようと思っていました。あの場面は絶対出してくれると思っていたので、パスが来る前からコントロールのあとのことを想定し、本当に自分の思い通りのコントロールになって、『これは中に簡単にいけるな』と思って、中に行って。あとは前半にニアサイドに打って外しているので、しっかり(足の)面に当ててファーサイドを狙って打って、結果的にいいゴールになってよかったです」

 強い意志の乗ったシュートは低い軌道で一度ゴールポストに当たり、跳ね返ったボールはゴールネットの中へ。久保は喜びを爆発させ、ベンチの仲間のもとへ駆けていった。試合後には「しっかり自分のゴールでチームを勝たせることができてよかった」と結果への手応えも口にした。

「自分は人の意見を気にしないですけど、最後のところでちょっとシュートが入らないとか言われることもありました。自分はしっかり練習もしてきていますし、量は裏切らないと思います。こういうところでしっかりいい形で決められて、それ(練習量の成果)をまた1つ証明できたかなと思います」

 外部からの声に惑わされず鍛錬を続けてきた成果が、大事な東京五輪の初戦という場で花開いた。次戦は優勝候補の1つと目されるU-24メキシコ代表との激突になる。極めて厳しい戦いが予想されるが、エンジン全開の久保は再び日本を勝利に導くことができるだろうか。本当の意味で真価が問われるのはこれからだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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