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日本代表 3年前

久保建英の個人技で…U-24日本代表はほぼ完璧。一転、試合を怪しくさせた失策とミス【西部の目/東京五輪男子サッカー】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

先制した後の“失策”とミス

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【写真:Getty Images】



 前半から5、6回の決定機があったが相手の好守もあって決めきれず。後半はさらにギアを上げて一方的に攻めつけたがゴールは割れず。そろそろ攻め疲れそうなタイミングで久保のゴールが決まっている。

 得点までに時間は要したが、そこまでの試合運びはほぼ完璧だった。ところが、リードしてからの試合運びは良くなかった。

 ゴール直後に林大地→上田綺世、中山雄太→旗手怜央の交代。そこから旗手が立て続けにドリブルで突破されてピンチになった。85分に堂安律に代えて町田浩樹を投入して左サイドの水漏れを防止、旗手はトップ下へ移動している。全く攻守に危なげなかった中山を旗手に交代させる戦術的な理由はない。とくにリードしているのに中山を下げたのは失策とさえいえるが、やはり中2日ゆえのやり繰りなのだろう。

 リードしているにもかかわらず中途半端に攻めてミスが増えたのがまずかった。U-24日本代表はボールを支配できていた。後方ならいくらでもつなげただろう。つないでいればリードされている相手は無理しても奪いに来る。そうすれば自動的に2点目をとるチャンスは作れるはずなのだが、その流れを上手く作れていない。

 ロスタイムにペナルティーエリアすぐ外でFKを与えている。発端は町田がやや難しいパスを狙ってカットされ、田中碧のプレスもかわされ、カウンター気味に攻め込まれたところで田中がファウルしてFKになった。そこまでは素晴らしい試合運びだったのに、終盤に急に怪しくなってしまっていた。

 しかし、終盤の試合運びのまずさを除けば、緒戦としては十分なプレーぶりだった。U-24日本代表のハイプレスを外せない相手に対して、焦れずにつないで押し込めたのは良かった。南アフリカの堅守もあって得点は1点だけだったが、チャンスの数も申し分ない。ただ、次のU-24メキシコ代表はまた違う種類の試合になり、違う試合運びが必要になる。

(文:西部謙司)

【了】

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