U-24日本代表は17日、キリンチャレンジカップ2021でU-24スペイン代表と対戦した。後半に追いつかれて1-1の引き分けに終わったものの、優勝候補と目される相手に対して先制した前半の戦いは手応えがあったのではないだろうか。

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　久保建英と堂安律の個人技術と連係によって生み出された先制点は素晴らしかったが、U-24日本代表の守備も堅かった。ボールを回しながら日本陣内へと運んでくるU-24スペイン代表に対して、前半のは守備陣がそれをことごとく跳ね返していた。

　これまでの3試合とは対照的に、この試合はU-24スペイン代表がボールを持つ時間が続いた。立ち上がりは最前線で久保建英と林大地が相手のビルドアップにプレスをかけていたが、うまくいかないと見るや途中で修正を施す。4-4-2の陣形で横幅と3ラインをコンパクトに保ち、スペースを消すことで危険な場面を作らせないようにしていた。

　吉田麻也と冨安健洋のセンターバックコンビは、個人の守備能力が長けているだけではなく、A代表で培ってきた連係も見事だ。吉田は「苦しい時間帯ありましたけど、総じてうまく守れたなと。相手のストロングポイントをうまく消しながらやれた」と手応えを語る。この試合で中盤に入った板倉滉は、「ボランチに入った時は、後ろにDFがいてくれる安心感がある」と、DF陣への信頼を述べた。

　もちろん、来日したばかりのU-24スペイン代表はコンディションを上げている最中という点は差し引かなくてはいけない。ただ、前半のU-24日本代表の修正が機能していたことも事実である。

　先日行われたユーロで、イングランド代表は7試合で2失点という強固な守備で、史上初の決勝進出という快挙を成し遂げた。優勝したイタリア代表も複数失点をしないまま頂点までたどり着いている。U-24日本代表もオーバーエイジ3人が揃った状況では、U-24ホンジュラス代表戦の1失点のみ。ディフェンスがU-24日本代表の生命線になることは言うまでもないだろう。

「この結果に一喜一憂せず、やるべきことに集中して、もう一回気を引き締めて本大会に臨みたい」

　キャプテンを務める吉田は気を引き締めたが、強豪との一戦はU-24日本代表がメダルを掴むための道筋がおぼろげながら見えた試合だったのではないだろうか。

（取材：元川悦子、文：編集部）

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