【写真:Getty Images】
なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)は14日、MS&ADカップ2021でオーストラリア女子代表に1-0の勝利を収めた。
【今シーズンのJリーグはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】
FW岩渕真奈にとっては「10番」を背負っての初めての試合。先発出場したなでしこジャパンのエースは、54分に決勝点となるPKを決めて勝利の立役者となった。「特別な番号なのは間違いないので、自分自身、そんなに意識しないようにと意識をしていた」というが、それによって10番の重みを「少しずつ意識」するようになっていた。
重圧を感じながらのPKは、冷静にゴール左隅に蹴り込んだ。「しっかり決めることができて、内容は自分自身のプレーには満足していないけど、結果に関しては良いスタートを切れたのかなと思います」と岩渕はホッと胸をなでおろした。
自らのゴールで勝利した「結果」には満足している一方、「内容」には不満が残っているという。無失点に抑えられたことは成果として挙げつつ、「もう少し攻撃の回数やボールに絡まなければいけないと感じています」と岩渕は語った。
オーストラリアは3-4-3のシステムを採用し、対するなでしこジャパンはこれまで同様4-2-3-1で戦った。布陣のミスマッチが発生することは事前のスカウティングで把握しており、実際に試合の中でも想定通りの現象は起こっていた。
その中で、守備に関しては「3-4-3に対して、みんなが共通意識持った中で、ある程度狙ってボールを取れたシーンだったり、(雑に)蹴らせて後ろで回収できたシーンはあったと感じているので、守備の部分に関してはゼロに抑えられたのもそうだし、ポジティブな試合内容だったと思います」と岩渕は手応えを口にする。
サイドから積極的にクロスを放ち、ゴール前で体格差を生かした空中戦に持ち込もうとしたオーストラリアの狙いも日本のDF陣が体を張って阻止した。やはり岩渕が課題を感じているのは攻撃面で「もう少し攻撃の回数やボールに絡まなければいけないと感じています」と話す。
「今日の相手に関しては、3人のディフェンスラインと4人の中盤の間にスペースができて、自分がパッと受けられるシーンがありましたけど、(味方との)距離感がすごく遠くて。だからこそ、自分がそこのスペースで受けられたというのはありますけど、もう少し攻撃に人数をかけた中で、前に押し込んで、ボランチがペナルティエリアの外あたりで回せるときも(欲しい)。
もう少し良い距離感なら、くさび(のパス)も刺せると思うし、自分のところに(ボールが)入った時に、(長谷川)唯や(塩越)柚歩が絡んでこれるのが日本の良さだと思うので。自分自身も全体の運動量を上げて、もっともっとボールに絡む意識を全員が持たないといけないと思います」
今年に入ってからなでしこジャパンが対戦してきたのはパラグアイ、パナマ、メキシコ、ウクライナといずれも格下で、内容面でも圧倒して勝利するのが当然な試合ばかりだった。
だからこそ東京五輪直前に世界的な強豪国の1つとして知られるオーストラリアと戦って、攻守で収穫と課題を得られたのは大きい。勝利で自信をつかみ、精神的にも前向きな状態で五輪本番に向けてさらなる改善を図っていけそうだ。
(取材・文:舩木渉)
【了】