U-24日本代表の切り札
3つめのポイントはフィニッシュ。FKから吉田麻也のシュートで13分に先制できたのは理想的だった。久保建英と堂安律によるトップ下と右サイドを入れ替えながらの攻め込みが機能していて、U-20日本代表で一緒だった三好康児とのトリオは息も合っていた。
あえて狭いスペースへ入っていくパスワークは他国にはあまり見られない。奪われるとカウンターされるリスクもあるが、対戦相手はおそらく守り慣れていないのでU-24日本代表の切り札になる可能性はある。
久保、三好が絡んで冨安健洋の低いクロスを林大地がDFを背中で抑えて堂安のシュートにつなげたゴールは見事だった。本来、前半で2-0は十分なスコアだ。ただ、そのまま試合を終わらせることはできなかった。三好がポストに当てたシュート、林に二度あったチャンスを確実に決めていたら完全な安全圏だった。
サッカーの試合でチャンスをことごとく決めるのは至難なのだが、決定機は確実に決めないと勝てるはずの試合を落とすことになる。チャンスは作れているので、より確実に決めていきたい。
(文:西部謙司)
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