U-24日本代表は12日、キリンチャレンジカップ2021でU-24ホンジュラス代表と対戦し、3-1で勝利している。東京五輪本大会まで残りわずかという中で、強化試合の勝敗は二の次。本番に向けた調整の中で、切り札になりうる存在と課題が見えてきた。(文:西部謙司)
強化試合の勝敗は二の次
東京五輪は中2日の試合が続く。唯一、準決勝から決勝までが中3日あるだけだ。日本の夏場の気温、湿度を考えると過酷を通り越して地獄のようなスケジュールである。
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6試合プレーすると仮定すれば、ほぼ全選手が出場するだろう。3試合だけでも、交代含めて多くの選手がプレーするはずだ。まずはそこへ向けての調整が強化試合の最優先事項になる。
ところが、現時点で選手たちのコンディションはバラバラだ。試合から遠ざかっている欧州組、AFCチャンピオンズリーグに参戦していた選手たちがいて、負傷から回復したばかりの選手もいる。それぞれの状態を考慮しながら注意深く本番までにコンディションを上げていかなければならない。つまり、U-24ホンジュラス代表、U-24スペイン代表との強化試合の勝敗はこの際二の次といっていい。最優先は本番であり、そのためのコンディション調整が最優先だ。
ホンジュラス戦の先発メンバーは五輪本番のベストメンバーに近いものだったと思う。そして60分すぎまで交代をしていない。
63分に2人を交代、80分に3人を代えたが、この試合のレギュレーションではさらに交代が可能だった。87分に中山雄太を下げたが、あえて五輪仕様に近い形をとり、5人が90分間プレーした。
次のスペイン戦までは中4日あるが、ホンジュラス戦の起用の仕方からみると、スペイン戦はサブ組主体になるのだろう。逆にスペイン戦でも同じメンバーを起用すればコンディションを崩す心配だけでなく、総力戦が必要な本番に向けて試合勘の足りない選手を生み出すことになってしまうからだ。