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まさに「歴史的優勝」。メッシとアルゼンチン代表のコパ・アメリカ制覇は何がそんなに凄いのか?

text by 編集部 photo by Getty Images

アルゼンチン代表
【写真:Getty Images】



【アルゼンチン代表 1-0 ブラジル代表 コパ・アメリカ決勝】

 コパ・アメリカ2021(南米選手権)決勝のアルゼンチン代表対ブラジル代表戦が現地時間10日に行われ、1-0の勝利を収めたアルゼンチンが優勝を飾った。アルゼンチンにとって、またリオネル・メッシにとっても様々な意味で計り知れない価値を持つタイトル獲得となった。

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 南米を代表する強豪2ヶ国がグループステージを首位通過して無敗で勝ち上がり、決勝で激突するという理想的な展開をたどった今大会。その決勝では前半にアンヘル・ディ・マリアの挙げた1点が決勝点となり、アルゼンチンが11大会ぶり15度目の南米王者に輝いた。

 アルゼンチンなどの多くのメディアでは、「歴史的」という言葉とともに今回の優勝を報じている。実際のところ、アルゼンチン代表にとってこのタイトル獲得の持つ意味はあまにも大きいと言える。

 まずは何といっても、アルゼンチン代表にとって実に28年ぶりの国際タイトル獲得であるということ。サッカー界の超大国のひとつとされるアルゼンチンだが、1993年のコパ・アメリカ優勝を最後にタイトルを逃し続けていた。コパ・アメリカでは前回までの直近5大会中4回で決勝に進みながらも全て敗れて準優勝。ワールドカップやコンフェデレーションズカップも含めれば、国際大会の決勝戦で7試合連続敗戦という悔しさを味わっていた。

 宿敵ブラジル代表を、しかも聖地マラカナン・スタジアムで倒しての優勝であるという点も大きい。コパ・アメリカは過去に5回ブラジルで開催されていたが、その全てでブラジル代表が優勝しており、敵地でブラジルを破って優勝を飾ったチームは初。またマラカナンはアルゼンチンにとって、2014年ワールドカップ決勝でドイツ代表に敗れて世界制覇を逃した場所でもあった。

 そして、やはりメッシである。言うまでもなくサッカー界を代表するスーパースターであり、これまで数え切れないほどのクラブタイトルと個人タイトルを手に入れてきたが、代表チームでのタイトルには不思議なほど恵まれず。これまで3回のコパ決勝と1回のワールドカップ決勝を戦いながらも優勝できず、「呪い」だと言われるほど代表チームでの大一番には敗れ続けていた。

 今大会ではついにその呪縛を断ち切り、アルゼンチン代表での初タイトルを獲得。決勝でのゴールはなかったとはいえ、7試合出場で4得点5アシストという文句なしの活躍ぶりでチームをタイトルに導いた。コロンビアのFWルイス・ディアスと並んでの得点王にも輝き、大会MVPも受賞している。

 同じアルゼンチンのレジェンドであるディエゴ・マラドーナ氏、あるいは同時代の永遠のライバルであるクリスティアーノ・ロナウドとの比較の上でも、代表チームでのタイトル獲得はメッシにとって唯一欠けているものだと言われ続けてきた。そのラストピースをついに手に入れたことで、メッシは名実ともに「史上最高の選手になった」という声も各国メディアやファンなどから上がっている。

【了】

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