UEFAユーロ2020(欧州選手権)決勝、イタリア代表対イングランド代表が現地時間11日に行われる。ガレス・サウスゲート監督の存在なくして、これまで届くことのなかったユーロ決勝の舞台にイングランド代表がたどり着くことはなかっただろう。果たして、イングランド代表指揮官はどこが優れているのだろうか。(文:ショーン・キャロル)
監督交代で変わったイングランド代表
イングランドのファンは、こういった状況に慣れてはいない。
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国際大会の開幕前に期待が高まるのはいつものことだ。今回こそ栄光を手にするチームになる、フットボールがついに「母国に帰ってくる」という楽観論は毎回出てくる。
だが結局、選手たちは「届かない」。より正確に言えば、実力通りに進むべきところまでは進む。その後は批判と非難と戦犯探しが始まり、また次のサイクルへと続いていく。
だがガレス・サウスゲートがイングランド代表監督に就任して以来、事情は変わってきた。現在のチームはまさに彼のイメージ通りに作り上げられたチームだ。
クリスタル・パレス、アストン・ビラ、ミドルスブラの元選手だったサウスゲートが育成部門の責任者としてイングランドサッカー協会に加わったのは2011年初頭のことだ。続いて2013年8月にはU-21代表監督に任命され、任期中にはジョーダン・ピックフォードやジョン・ストーンズ、ハリー・ケインなど今回のユーロ出場メンバーの何人かとも一緒に仕事をしていた。
ユーロ2016を終えロイ・ホジソンが辞任したあと、サウスゲートはイングランドA代表の監督就任レースから一旦は身を引いた。だが2016年9月にサム・アラーダイスがスキャンダルによる退任を余儀なくされると、暫定監督として渋々チームの指揮を引き継ぐことになる。それでもピッチ上での結果と代表監督としての振る舞いの両面で就任直後から強烈な印象を残し、2ヶ月後にはスリーライオンズの指揮官として正式契約を交わした。