1点を追うイングランド代表、攻撃の狙いは?
今大会はオウンゴールが多いと言われている。ポケット、つまりゴール脇のタッチライン際からゴール前に折り返したボールを、DFが触ってゴールに吸い込まれるというパターンがかなりの割合を占めている。
イングランド代表の同点ゴールもこの形だった。38分にハリー・ケインが右サイドを深く切り込んで折り返す。ゴール前に走りこんだスターリングが合わせたが、GKカスパー・シュマイケルが身を呈してこれを防いだ。しかし、その直後にサカが右サイドを突破すると、ゴール前に入れられたボールはスターリングをマークしていたシモン・ケアーの足に当たってゴールに吸い込まれた。
ここまで深い位置に切り込むと、DFがクリアするのはかなり難しい。ドイツ代表戦やウクライナ代表戦でもニアゾーンからの速くて低いクロスで得点している。ここからのボールは得点になりやすく、2人でできるので関係性を構築しやすいので代表チームの性質にも合っている。
デンマーク代表はウイングバックが下がることで対応しようとしていたが、戻れない場面もあった。イングランド代表はこのスペースを突き続けることでこの穴をこじ開けたということになる。イングランド代表は意図的にここを狙っていた。
試合は1-1で後半を迎えた。前半はほぼ互角の展開だったが、後半は徐々にイングランド代表が攻勢を強めている。両者の差はどこに生まれたのだろうか。
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