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EURO2020 3年前

イングランド代表の強さはどこに? 偶然ではない決勝進出、勝ち続けるチームの戦略とは…【ユーロ2020分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

1点を追うイングランド代表、攻撃の狙いは?



 今大会はオウンゴールが多いと言われている。ポケット、つまりゴール脇のタッチライン際からゴール前に折り返したボールを、DFが触ってゴールに吸い込まれるというパターンがかなりの割合を占めている。

 イングランド代表の同点ゴールもこの形だった。38分にハリー・ケインが右サイドを深く切り込んで折り返す。ゴール前に走りこんだスターリングが合わせたが、GKカスパー・シュマイケルが身を呈してこれを防いだ。しかし、その直後にサカが右サイドを突破すると、ゴール前に入れられたボールはスターリングをマークしていたシモン・ケアーの足に当たってゴールに吸い込まれた。

 ここまで深い位置に切り込むと、DFがクリアするのはかなり難しい。ドイツ代表戦やウクライナ代表戦でもニアゾーンからの速くて低いクロスで得点している。ここからのボールは得点になりやすく、2人でできるので関係性を構築しやすいので代表チームの性質にも合っている。

 デンマーク代表はウイングバックが下がることで対応しようとしていたが、戻れない場面もあった。イングランド代表はこのスペースを突き続けることでこの穴をこじ開けたということになる。イングランド代表は意図的にここを狙っていた。

 試合は1-1で後半を迎えた。前半はほぼ互角の展開だったが、後半は徐々にイングランド代表が攻勢を強めている。両者の差はどこに生まれたのだろうか。

【次ページ】両者の間に生じた差

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