【写真:Getty Images】
現役時代に日本でもプレーした元イングランド代表FWのゲーリー・リネカー氏が、ドイツ代表の勝負強さを表すものとして有名になった自身の名言を撤回した。
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現地時間29日に行われたユーロ2020(欧州選手権)決勝トーナメント1回戦の試合でイングランド代表とドイツ代表が対戦し、2-0の勝利を収めたイングランド代表が準々決勝進出を果たした。リネカー氏は試合後に、「そろそろ『ドイツがいつも勝つ』というフレーズを葬り去る時だと思う。安らかに眠れ」と自身の公式ツイッターアカウントでコメントしている。
リネカー氏が言及しているフレーズとは、1990年ワールドカップ準決勝でイングランド代表が西ドイツ代表に敗れたあとの発言。当時イングランド代表のエースストライカーだったリネカー氏はこの試合で1-1の同点ゴールを決めたが、最後はPK戦を制した西ドイツが決勝進出を果たした。
「サッカーとは単純なゲームだ。22人が90分間ボールを追い続けて、最後はドイツが勝つ」というのがリネカー氏の言葉だった。その背景には西ドイツ代表がワールドカップ3大会連続決勝進出など安定した成績を残していたことに加え、イングランド代表が直接対決で苦杯をなめ続けていたこともある。
自国開催の1966年ワールドカップでは決勝で西ドイツを下して初優勝を飾ったイングランドだが、その後は1970年ワールドカップ、1972年欧州選手権で敗戦。1982年ワールドカップでも西ドイツと同組に入った2次リーグで敗退していた。リネカー氏の時代以降も、ユーロ96準決勝、2010年ワールドカップ決勝トーナメント1回戦でドイツがイングランドを敗退に追い込んだ。
イングランドとの直接対決を別としても、ドイツは国際大会で安定した成績を残し続けてきた。ワールドカップでは16大会連続の8強進出を果たし、2002年以降は4大会連続で3位以上。ユーロでも前回大会まで3大会連続で準決勝以上に進んでいた。
だが2018年のロシアワールドカップでは初のグループステージ敗退という屈辱を味わい、今回のユーロでも16強で早期敗退。主要国際大会のノックアウトステージでイングランド代表に敗れたのも1966年決勝以来55年ぶりとなった。強豪国の一角であることは変わらないとしても、近年の成績が「いつも勝つ」と言えるものではなくなったことは否めないかもしれない。
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