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EURO2020 3年前

クロアチア代表の“勇敢なる死に様”。スペイン代表を最後まで苦しめた2つの要因とは?【ユーロ2020分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

2つ目の要因と果敢な抵抗



 そしてもう1つは布陣変更である。モドリッチが「僕らがより攻撃的になったことで、チャンスも多く作ることができたし、同点にできた」と振り返っている。

 77分に3点目を奪われてから、79分にズラトコ・ダリッチ監督は、コバチッチに代えてブディミル、ヴラシッチに代えてパサリッチの2枚を同時に投入。既に74分に右SBヨシプ・ユラノヴィッチに代わって入っていたヨシプ・ブレカロが縦に上下動して最終ラインもカバーする変則的な3バックに変更している。

 スペイン代表は試合を終わらせようと守りに入ったマインドも重なってか、この前線の選手が流動的で「より攻撃的になった」[3-4-3]を捕まえきれなかった。そしてオルシッチとパサリッチの2ゴールで試合を延長に持ち込んだことは、既に記したとおりである。

 これらの要因と「気持ちの強さ」が重なって、スペイン代表に食らい続けたクロアチア代表だったが、果敢な抵抗もそこまでだった。万策を尽くして矢も尽きるまで戦ったが、最後に屈した。しかし、ロヴレンとペリシッチという刀は折れていたにもかかわらず、すんなりと勝利を明け渡さず120分間を戦い抜いた死に様は、まさに“勇敢なる敗者”と形容できる姿だった。

(文:本田千尋)

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