ユーロ2020(欧州選手権)ラウンド16、クロアチア代表対スペイン代表が現地時間28日に行われ、延長戦の末に3-5でスペイン代表が勝利している。クロアチア代表は後半終了間際に追いついたものの、延長戦で力尽きた。ただ、その勇ましい戦いぶりは、試合を観た者の記憶に焼き付かれるだろう。(文:本田千尋)
クロアチア代表は“勇敢なる敗者”
“勇敢なる敗者”だった。現地時間6月28日に行われた決勝ラウンド1回戦で、クロアチア代表はスペイン代表に敗れた。しかし、試合が延長戦に突入して120分間行われたことと3-5のスコアを見れば、ロシアワールドカップの準優勝チームがすんなりベスト16で敗退したわけではないことが分かる。
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20分にペドリのオウンゴールという望外の先制点を手にしたクロアチア代表だったが、38分にパブロ・サラビアの得点で追い付いかれると、後半に入って57分にセサル・アスピリクエタ、77分にフェラン・トーレスのゴールで2点を追う展開に。この時点で敗色は濃厚だった。
ところが、残りの10分間で3-3の同点に追い付く。85分、ボックス内に侵入したルカ・モドリッチのマイナスの折り返しから、アンテ・ブディミル、ミスラフ・オルシッチと立て続けにシュートを放って2-3と追いすがる。そして91分、左からのクロスにマリオ・パシャリッチが飛び込んで頭で合わせる。試合の行方を延長戦に持ち込んだ。
延長に入ってから、アルバロ・モラタ(100分)とミケル・オヤルサバル(103分)に決められて振り切られてしまったが、主力のデヤン・ロヴレンとイバン・ペリシッチを欠きながら抵抗し続け、敵にすんなり勝利を明け渡さなかった死に様は、まさに“勇敢なる敗者”だった。主将のモドリッチは「気持ちの強さを見せることができた」と言葉を残した。
なぜ、クロアチア代表はスペイン代表に食らい続けることができたのだろうか。