2点リードを守れなかった理由
後半に入り、デシャン監督は前半途中より変更した4-4-2を継続して使うことを決断した。ラングレが下がってキングスレー・コマンが左サイドハーフに入り、右サイドハーフにグリーズマンという並びだった。
しかし、スイス代表がそれをわかっていたように守備時4-4-2を採用。レ・ブルーはマンツーマン気味でガッチリと封じられるなど、ここでもリズムを作り出せなかった。そして、またも一瞬の隙を突かれ53分にPKを献上。前半同様、入りは最悪だった。
ただ、GKウーゴ・ロリスがこれをセーブしたことで、フランス代表にスイッチが入った。その勢いのまま、57分と59分にベンゼマが得点。さらに75分、ポグバが鮮やかなミドルシュートを突き刺し、3-1と一気にスイス代表を突き放す。ほぼ個の力だったが、これが現世界王者の強さとも言うべきものだった。
この時点でフランス代表の勝利は確実…だったはずなのだが、デシャン監督率いるチームの課題は結局のところ前半と同じだった。中盤のフィルターが機能せず、いとも簡単に最終ラインを攻略されたのである。
81分の失点シーンは、カンテの左脇にボールを通されライン間を突かれる。そこからサイドに展開され、コマンが1対2を強いられることに。そして最後は、ケビン・ムバブにフリーでピンポイントクロスを上げられた。
90分の場面はポグバが中盤でロストしたことで相手のカウンターが発動。この時点で中盤にはカンテ一枚しかおらず、キンペンベがハーフスペースを走る選手を消しにいったことで中央エリアがぽっかりと空いた。そこをマリオ・ガブラノビッチに突かれ、3点目を奪われてしまったのだ。
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