ユーロ王者である理由
「我々がどれだけうまくいったかだけでなく、ポルトガルが最も得意とすること、つまり勝つために必要なことを試合で正確に実行することに、どのように適応したかが今日は重要だった。これこそが彼らがユーロ王者である理由であり、ネーションズリーグでも優勝しました」
5年前の前回大会でポルトガル代表は優勝している。グループステージは3試合すべて引き分けで、90分で勝利したのはわずか1試合。決して下馬評は高くなかったが、スタイルにこだわることなく我慢強く戦うことで、接戦をものにしていった。
今のベルギー代表には圧倒して勝つ強さもある。一方で、この試合や逆転勝利したデンマーク代表戦で見せた粘り強さは、欧州3連覇を達成したレアル・マドリードを彷彿とさせる。状況の変化にうまく対応して最終的にはリードを保つ。スタイルに固執することなく、勝利から逆算できる賢さがある。
次なる相手は同国史上最長となる12連勝をマークしているイタリア代表だ。ベルギー代表は予選からの連勝を14に伸ばしたが、この試合で負傷したエデン・アザールとデ・ブライネの状況は気がかりだ。厳しい試合は続くが、戦い抜けるチーム力が今のベルギー代表にはあるのではないだろうか。
(文:加藤健一)
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