ベルギー代表の強さとは?
公式スタッツを見ると、後半はポルトガル代表がシュート本数で16対2と圧倒している。4本のシュートがゴールの枠を捉え、83分にはラファエル・ゲレイロのシュートがポストに当たる決定機もあった。
「前半は高い位置でプレーしてポルトガルに圧力をかけていた。しかし、後半を見る限り(この試合に)勝てたのはラッキーだった」
トーマス・フェルマーレンが振り返るように、押し込まれた後半はウイングバックが引いて5バックで守る時間帯が多かった。そのままずるずる失点してしまうチームも多いが、ベルギー代表はこの状況で、能動的に守り切ることができる。
もちろん、ティボー・クルトワのビッグセーブがなければこの試合に勝つことはできなかった。しかし、それ以上に印象的なのは、ベルギー代表のチームとしての成熟度の高さ。相手の出方を見ながら戦い方を選ぶことができる柔軟性を持っている。
そして、この守り方は選手の特徴にもマッチしている。ヤン・フェルトンゲン、フェルマーレン、トビー・アルデルワイレルドの3バックは、エアバトルに強く、シュートブロックもうまい。配球能力にも長けているのでボール保持もできるが、相手を引き込んで守ることも苦にしない。
ベルギー代表を率いるロベルト・マルティネス監督はポルトガル代表に勝てた要因を以下のように捉えている。
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