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EURO2020 3年前

ドイツ代表はなぜ危険な状況に追い込まれたのか。“ゲルマン魂”が燃え上がるまでに犯した「過ち」とは【ユーロ2020分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

追い込まれた中での超攻撃的布陣とは?



 セルジュ・ニャブリに代えてトーマス・ミュラー、ハフェルツに代えてティモ・ヴェルナーと2枚同時に替えた直後の68分。放り込まれたロングボールをA・サライに繋がれ、ザネの前に入ってきたR・シャッライに頭で押し込まれて1-2。右ウイングバックを、攻撃面ではキミッヒに勝るが守備面では難があるサネに替えたことが、この場面では仇となったようだ。

 グループ敗退の窮地に追い込まれるドイツ代表。しかし“ゲルマン魂”は屈するどころが、さらに燃え上がった。

 追い込まれたレーブ監督は82分、ゴセンスに代えてジャマル・ムシアラ、CBマティアス・ギンターに代えてFWケビン・フォラントを投入。後ろにフンメルスとアントニオ・リュディガーの2CBとトニ・クロースのワンボランチを残し、残り全てのアタッカーを押し上げるという超攻撃的な布陣を慣行。左はムシアラとヴェルナー、右はキミッヒとザネで幅を取り、中央にフォラント、ミュラー、ゴレツカが入ってハンガリー代表に覆いかぶさる。

 そして84分。左右にボールを動かしてハンガリー代表を揺さぶると、ミュラーとのポジションチェンジで中に入ってきたヴェルナーがシュート。DFに当たったボールを、ゴレツカが右足一閃。スコアを2-2に戻し、グループFの2位となったドイツ代表は、辛うじて決勝ラウンド通過を決めた。

 試合後、レーブ監督が「今日、我々は本当に偉大な姿勢を示した。我々は過ちを犯したが、同点に追い付くまで戦った」と振り返ったように、ドイツ代表の選手たちはハンガリー代表に食らい続け、“ゲルマン魂”とは何たるかを再びピッチ上に示した。しかし指揮官が「過ちを犯した」とも言ったように、“魂”を剥き出しにせざるを得ないほどの危うい試合展開は、自ら招いた流れとも言える。

 このレーブ監督の言う「過ち」とは何だろうか。

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