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伝説のPKから45年。元祖“パネンカ”は現代でも通用するスーパーゴール【動画付き】

text by 編集部 photo by Getty Images

アントニーン・パネンカ
【写真:Getty Images】


 サッカーのプレーに選手の名前が冠されて広く用いられる例は、「クライフターン」などごくわずかのみ。そういったプレーのひとつが、ちょうど45年前の1976年6月20日に披露された“パネンカ・キック”だ。

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 通常であればGKの届きにくいゴールの隅を狙って強いシュートを蹴り込もうとすることが多いPKの場面で、あえて中央への緩いチップキックを選択してGKの意表を突く。このキックを「パネンカ」と呼ぶのは、元チェコスロバキア代表のアントニーン・パネンカ氏に由来している。

 パネンカ氏がこの独創的なキックを大舞台で披露したのは1976年欧州選手権決勝の西ドイツ代表戦。それ以前にも国内リーグなどでは使用していたとされているが、欧州制覇が懸かる最後のキックという緊迫の場面で繰り出したキックはサッカー界に大きな衝撃を与えた。

 現在では一般的となったPK戦だが、この時はまだ導入されたばかりの新しいルール。1970年にイングランドで初めて導入され、ユーロではこの76年大会決勝が初のPK戦だった。ワールドカップでの初のPK戦はさらに6年後まで実現することはなかった。

 チェコスロバキア代表にとっては初タイトルの懸かる場面であり、相手はフランツ・ベッケンバウアー氏らを擁して2年前のワールドカップを制した西ドイツ代表。守るのは当時世界最高峰のGKだった名手ゼップ・マイヤー氏。あらゆるプレッシャーがのしかかる場面で、失敗すれば批判が集中することは間違いないキックを実行し、成功させた。多くの者が初めて目にしたであろうプレーに、その選手の名前が冠されるのも当然だったと言っていいだろう。

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