案外、山場はすぐにやってくる?
フランス代表には一発がある。エムバペという驚異のスピードスターがいるため、カウンターの威力は他国を寄せ付けないほど高いと言えるだろう。
実際、ハンガリー代表戦で奪った1点も、キッカケはGKウーゴ・ロリスのハイパントキック一本だった。バウンドしたボールを快速を活かしてエムバペが収め、そこから中に折り返しグリーズマンが押し込んでいる。繰り返しになるが、レ・ブルーにはこうした特別なものが備わっている。
一方で、ハンガリー代表戦で見られた通り、ポゼッションの精度はそこまで高くないのかもしれない。引いた相手に対して苦戦するチームは多いが、とくにフランス代表はそうなった場合のデザイン性が定まっていないと感じる。
次節対戦するポルトガル代表相手には、恐らく強さを発揮するだろう。ドイツ代表戦と同じく、相手が前に出てくる分、使えるスペースはハンガリー代表戦よりも確実に多くなる。そうなれば、カウンターという最大の持ち味が活きてくる。
上記したことを踏まえると、たとえばフランス代表が首位で決勝トーナメントに進んだとして、山場はラウンド16になるだろうか。A、B、C組いずれかの3位と対戦することになるが、その相手がハンガリー代表のように引いてくる可能性は十分に高い。そうなった場合、今回と同じ問題に直面する可能性は否めない。
(文:小澤祐作)
【了】