デ・ブライネ投入で何が変わったのか?
この試合で先手を打ってきたのはデンマーク代表だった。現体制ではあまり使ってこなかった3バックを採用し、ベルギー代表と同じ3-4-3のミラーゲームに持ち込んでいる。立ち上がりからベルギー代表のビルドアップをはめ込み、ボールを奪えばウイングバックがファイナルサードに流れ込む。手数の少ない攻撃で何度もフィニッシュへとつなげた。
先制点はデンマーク代表にとって狙い通りだった。ジェイソン・デナイヤーのパスをピエール=エミール・ホイビュルクがインターセプト。パスを受けたユスフ・ポウルセンがゴール左隅に蹴りこんでゴールネットを揺らす。開始わずか2分の先制点だった。
その後もベルギー代表は相手のハイプレスとショートカウンターに苦しんだ。ビルドアップの出口を見つけられず、前線のルカクに蹴ってもセカンドボールを回収されてしまう。シモン・ケアーはルカクに自由を与えず、数的同数ではめ込む守備によりデンマーク代表は試合の主導権を握っていた。
そんな中で登場したのがデ・ブライネだった。3トップの一角に入ったが、どちらかといえば3-4-1-2のトップ下に近い。相手のDFラインと中盤のライン間でボールを引き出すという狙いは明確で、中盤に3対2の数的優位を作ることができた。
デンマーク代表は中盤の1人がデ・ブライネを見なければいけないのだが、そうなればベルギー代表のMFが必ず1人フリーになる。ユーリ・ティーレマンスはボール運びやパス技術に優れているので、フリーであれば質の高い展開が可能になる。
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