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デ・ブライネの45分に詰まった圧倒的なクオリティの高さ。なぜベルギー代表は逆転勝利できたのか?【ユーロ2020分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

ユーロ2020(欧州選手権)グループリーグB組第2節、デンマーク代表対ベルギー代表が現地時間17日に行われ、1-2でベルギー代表が勝利した。相手の圧力に苦しみ、立ち上がりに失点する苦しい展開となったが、ケビン・デ・ブライネを投入した後半に逆転した。主役が揃ったベルギー代表の強さが見えた試合だった。(文:加藤健一)

出場45分間で試合を変えたデ・ブライネ

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【写真:Getty Images】



 クリスティアン・エリクセンの想いも背負って戦うデンマーク代表と、悲願の優勝を狙うベルギー代表。2つの強い想いが交錯した試合は、FIFAランキング1位のベルギー代表に軍配が上がった。後半開始から投入されたケビン・デ・ブライネが試合を変える活躍を見せている。

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 デ・ブライネはUEFAチャンピオンズリーグ決勝で相手選手と衝突して鼻骨などを骨折し、手術を受けている。ベルギー代表には遅れて合流したが、大会直前の強化試合には出場できず。初戦のロシア代表戦もベンチを外れていたが、第2戦で23人の枠に入ることができた。

 55分、最前線のロメル・ルカクにパスが入り、右サイドを突破する。折り返しを受けたデ・ブライネはワントラップからパスを出すと、ゴール前に走りこんできたトルガン・アザールが難なく流し込んだ。

 さらにその15分後にはデ・ブライネが逆転ゴールを決める。ベルギー代表はルカクを起点に少ないタッチ数でゴールに迫ると、エデン・アザールの横パスに走りこんできたデ・ブライネが左足でゴールネットを揺らした。

 ゴール前でフリーの味方を見つけ、冷静かつ正確にパスを送った1点目。2列目から走りこむことでフリーになり、エデン・アザールからのラストパスを引き出した2点目。技術、状況判断、そして冷静さ。すべてを兼ね備えるデ・ブライネがベルギー代表に勝利をもたらした。

 しかし、個人の能力だけで勝てるほど、欧州最高峰の舞台は甘くない。デ・ブライネ活躍の伏線は、この背番号7がいなかった前半にあった。

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