UEFAユーロ2020(欧州選手権)グループリーグF組第1節、フランス代表対ドイツ代表が現地時間15日に行われ、1-0でフランス代表が勝利した。フランス代表はポール・ポグバやキリアン・ムバッペを筆頭に大会屈指のメンバーを揃えているが、指揮官は大会を制するためにはそれ以上に必要なものがあると言う。(文:本田千尋)
空中分解を回避できたフランス代表
世界王者が「効率的」な“ウノゼロ”を見せつけた。現地時間6月15日に行われたグループF第1節。フランス代表が“宿敵”ドイツ代表を1-0で下している。
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20分、ポール・ポグバが右のハーフスペースからファーサイドに長いパスを出す。敵の3バックの脇に走り込んだ左SBリュカ・エルナンデスが折り返すと、マッツ・フンメルスのオウンゴールを誘発。フランス代表は後ろに比重を置いて1点を守り切り、難敵が揃ったグループFの初戦をモノにした。
試合後、ディディエ・デシャン監督は「ドイツ代表は我々よりもボールを保持したが、我々は効率的だった」と振り返っている。たしかにドイツ代表とフランス代表のボール支配率は、前半終了時は58%対42%で、試合終了時は59%対41%だった。
ロシアワールドカップの優勝チームの試合の入り方は決して良くはなく、敵にプレスを積極的に掛けるわけでもなく、パススピードも遅い。キリアン・ムバッペも17分にボックス内で鋭いシュートを放ったが、ボールをキープできない場面もあった。フランス代表はチームとしても個人としても低調なスタートを切っていた。その低空飛行の様子は、オリヴィエ・ジルーの発言を発端とする“いざこざ”の影響を疑ってしまう程だ。
デシャン監督はこの初戦を「巨人同士の戦いだった」と振り返っている。EUROの初戦の相手がドイツという「巨人」だったことで、“レ・ブルー”は空中分解を避けることができたのかもしれない。
先制点は僥倖に恵まれた。20分と比較的早い時間帯に1点をリードしたことで、フランス代表はチームとしてまとまった守備を展開する。身内でゴタゴタがあったとしても、目の前の「巨人」に勝つには“一心同体”にならざるを得なかった、といったところだろうか。