大量得点を生むキッカケはどこにあった?
しかし、80分過ぎまで0-0の状態を強いられたポルトガル代表だったが、最終的には大量3得点を奪うことになった。では、何が流れを変えるキッカケとなったのだろうか。
サッカーに絶対的な「答え」はないが、フェルナンド・サントス監督によるレナト・サンチェスの投入は当たりだったと言える。前回大会でも大活躍したMFは、W・カルバーリョに代わりピッチに立った直後から非凡なパフォーマンスを示したのだ。
先発した中盤底2枚、W・カルバーリョとD・ペレイラは対人戦でさすがの強さを誇示したが、攻撃面での存在感はあまり大きくなかった。タイプの似ている彼らは前線に飛び出すアクションがほぼなく、全体的にパス捌きのテンポも十分とは言えず。効果的な縦パスの本数も少なかった。
そのため、流れの中でB・フェルナンデスやB・シウバが低い位置に落ちて組み立てに関与するシーンも目立っていた。しかし、それはハンガリー代表にとって好都合。その分前の人数が減るため、当然のことである。
しかし、W・カルバーリョとD・ペレイラよりも機動力のあるR・サンチェスは、先発した2人と違い、高い位置を取って動き相手のマークを引き付けることができていた。左から右まで流れるなど的も絞らせず、ダイレクトプレーも効いていた。
先制点の場面はR・サンチェスがB・フェルナンデスのサポートに回って相手を引き付けたことで、ラファ・シルバへのパスコースが空く。そこにB・フェルナンデスが縦パスを入れ、最後はラファエル・ゲレイロのゴールに繋がった。
その直後のシーンは圧巻だった。R・サンチェスは自陣でボールを奪うとドリブルで前進。相手DF3人を無力化し、最後はラファ・シルバへラストパスを送る。抜け出した同選手はオルバンのファウルを受け、ポルトガル代表にPKが与えられることになった。そして、これをC・ロナウドが決めている。
これで完全に意気消沈したハンガリー代表は後半アディショナルタイムにも失点。結果的に大敗を喫することになったのだ。
ハンガリー代表に中央を締められる時間が続いていたが、R・サンチェスはパスで相手の目線を変えるだけでなく、それまでになかった「動き」でそこをこじ開けた。彼の果たした仕事は、大きな賞賛に値すると言える。
(文:小澤祐作)
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