UEFAユーロ2020(欧州選手権)グループリーグF組第1節、ハンガリー代表対ポルトガル代表が現地時間15日に行われ、0-3でポルトガル代表が勝利している。80分過ぎまで0-0の状態を強いられた前回大会王者だったが、最終的には大差がつくことに。何がキッカケだったのだろうか。(文:小澤祐作)
ハンガリーは大声援を背に
フランス代表、ドイツ代表、ポルトガル代表のいる「死の組」に入ったハンガリー代表を率いるマルコ・ロッシ監督は、大会前に「良いパフォーマンスと良い結果を期待している」と話していた。ただ、初陣となったポルトガル代表戦では、その一つを手に入れるに留まっている。
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「この結果にはガッカリしているよ。両者の間に3点の差はなかった」
ロッシ監督のゲーム後のコメントである。決して強がりではない。確かにハンガリー代表はポルトガル代表に0-3というスコアをつけられてしまったが、90分間通して絶望的なパフォーマンスを披露していたわけではなかった。
戦前の予想通り3-5-2で挑んだハンガリー代表は、守備時5-3-2になってポルトガル代表に対応した。やはり前回王者には長い時間ボールを保持されたものの、RBライプツィヒ所属のヴィリ・オルバンを中心とした守備陣は集中力を切らさず、粘り強さを見せていた。
危険なシュートを放たれても、ブンデスリーガ屈指のGKと呼び声高いペテル・グラーチが、その長い手足を活かして完璧にボールを弾く。クリスティアーノ・ロナウド、ディオゴ・ジョッタ、ベルナルド・シウバという豪華な攻撃陣を形成するポルトガル代表に、簡単にリードは許さなかった。
この日の会場であるプスカシュ・アレーナは、他会場と違い収容100%が認められている。ハンガリー代表のユニフォームを着たサポーターたちは、マスクもせず大合唱。選手がボールを奪いクリアするだけで、大きな歓声が上がる。これもまた、ハンガリーイレブンの士気を高める要因となっていた。