若くして才能を披露して高く評価された選手が、そのままスター選手として活躍し続ける保証はない。怪我やプレッシャーに苦しみコンディションを落とす選手がいれば、ピッチ外での問題で活躍の場を失っていく選手も多い。今回は大きな期待を背負いながらも、大舞台から姿を消したアフリカ人選手を紹介する。
流れ星のように消えた元ミランの神童
【写真:Getty Images】
MF:ハキム・マストゥール(モロッコ)
現所属クラブ:カルピ(イタリア3部)
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モロッコ人の両親のもとイタリアで生まれたハキム・マストゥールは、14歳でミランの下部組織に入団すると、わずか15歳でセリエAのベンチ入りを経験。そして16歳となったタイミングで、ミランとのプロ契約を勝ち取った。とにかく足元のテクニックが高く、正確なタッチと鋭いドリブルで相手を次々と翻弄する。その姿から彼は「神童」と称されるようにもなった。
しかし、様々な面で未熟だったマストゥールは流れ星の如く一瞬で表舞台から消えることになる。2015年のマラガへのレンタルが不発に終わると、翌年のズヴォレへのレンタル移籍も完全失敗。ミランに復帰した後もトップチームでの出番はまったくなかった。そして2018年夏、マストゥールはイタリアの名門を退団し活躍の場をギリシャのラミアへ。神童、神童と言われながらも、結局ミランではトップチームでの出場が「0」だった。
そしてギリシャでも全然活躍できなかったマストゥールは2019年3月にラミアを退団し、そこから無所属に。その半年後、レッジーナに手を差し伸べられたが、同クラブでの1年目はリーグ戦出場が1試合でプレータイムは8分。在籍2年目となった今季はリーグ前半戦でわずか190分間のプレーに留まっている。結果、レッジーナでも最後まで戦力になりきれず、今年1月に3部カルピに籍を移した。
マストゥールは現在22歳。今後どこかで復活する可能性はもちろんまだ否定できないが、現時点でその兆しはほぼ見えていない。新天地カルピでも怪我により、3月中旬以降プレーできないままシーズンを終えてしまった。昨年にはトイレットペーパーで華麗にリフティングする姿を自身のSNSにアップしていたなど、技術力の高さは間違いなくピカイチなのだが…。
【了】