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EURO2020 3年前

オランダ代表の中心に、世界最高峰のMFがいた。英雄率いるチームを苦しめたその男とは?【ユーロ2020分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

好調を維持するMF



 ただもちろん、ユーロという大舞台で最初から完璧に90分間を過ごせるチームは決して多くない。先述した通り課題は確かにあったが、結果が何よりも重要という中、初戦を3-2で競り勝ったことは、当然ながら高評価に値する。

 ここからは個人に目を向けていきたい。全3得点に絡んだ右WBドゥムフリースや主将ワイナルドゥムも素晴らしい内容だったが、やはり随所で効いていたのは背番号21フレンキー・デ・ヨングだったと言えるだろう。

 ダブルボランチの一角として先発した同選手は、先ほども紹介した通り積極的な攻撃参加で攻撃に厚みをプラス。攻から守への切り替えも速く、あらゆるシーンで非凡なパフォーマンスを披露していた。

 バルセロナでも中心となっているデ・ヨングには、よくボールが集まる。受け方と持ち方が抜群に上手い若きMFは簡単に失うことがなく、相手のプレッシャーを巧みに回避して運び、何度も数的優位な状況を作り出していた。攻撃のほとんどは、彼から始まったと言ってもいい。

 58分には最終ラインからボールを引き出して前を向き、良いランニングを見せたドゥムフリースへ繊細なスルーパス。そこから最終的にヴェフホルストのゴールが生まれることになった。この時、ボールを持ったデ・ヨングにはノープレッシャー。そうするとどうなるか、ウクライナ代表は思い知らされることになった。

 データサイト『Who Scored』によるデ・ヨングの主なスタッツはパス97本、同成功率92%、キーパス2本、ドリブル成功数5回、タックル成功数1回、インターセプト数2回となっている。パス97本、ドリブル成功数5回は両チーム合わせてトップとなる数字。これだけでも、背番号21がいかにオランイェの中心にいたかが、よくわかるだろう。

 オランダ代表は次戦、オーストリア代表と対戦する。デ・ヨングは再び中心として、輝くだろうか。

(文:小澤祐作)

【了】

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